「脳波」による「機械学習」の研究開発

 

脳波の波形データのみを見ても、その意味付けをすることは困難です。それを可能にするのがAIモデリング。

データを多面的に解析することで、独特な特徴量、新たな属性を見出し、少量のデータから、自動的に多くの脳波モデルの生成を可能にします。

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医療・ヘルスケアウェルネス分野において、

脳波AIモデルの開発を進めています。

 



認知症 / MCI


現在、大阪大学(大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室)との共同研究を通じて、認知症/MCIスクリーニングを目的とした信頼性の高いAIモデルの研究開発に取り組んでいます。今後は、医療機器プログラムの開発を検討していく計画です。

参考論文

 詳しくは、「研究実績」ページをご参照ください。

"Predictive Diagnostic Approach to Dementia and Dementia Subtypes Using Wireless and Mobile Electroencephalography: A Pilot Study"
(ワイヤレスモバイル脳波計測を利用した認知症および認知症サブタイプに対する予測診断アプローチ:パイロット研究)

"Precise Discrimination for Multiple Etiologies of Dementia Cases Based on Deep Learning
with Electroencephalography"
(脳波による深層学習に基づく認知症症例の複数の病因の正確な判別)

"A deep learning model for the detection of various dementia and MCI pathologies based on
resting-state electroencephalography data: A retrospective multicentre study"

(安静時脳波データに基づく様々な認知症および MCI 病態検出のための深層学習モデル)

"Utilizing portable electroencephalography to screen for pathology of Alzheimerʼs disease: a
methodological advancement in diagnosis of neurodegenerative diseases"

(アルツハイマー病の病態スクリーニングに携帯型脳波計を活⽤)


発達障害


現在、パッチ式脳波計を用いた発達障害の診断補助マーカー探索に関する共同研究を国立大学等と実施しています。


更年期障害

 

大阪大学によるパッチ式脳波計を用いた更年期障害診断に係る研究を支援しています。
「第36回日本女性医学学会学術集会」(2021年11月開催)において、研究成果が発表されています(優秀演題賞受賞)。


睡眠


睡眠時の脳波をパッチ式脳波計を用いて⾃宅等で計測し、
AIモデルにより睡眠ステージを自動判定し、睡眠指標を生成するサービスを開発・提供しています。

2023 年 12 ⽉に、 睡眠ステージ判定 AI モデルを改良しました。 新たなモデル構築に当たり、被験者として 20〜50 歳代の男⼥を対象とし、年代、性別ともほぼ均等になるよう取得したデータを使⽤しました。年代・性別の偏りを改善した信頼性の⾼い AI モデルとなっています。

改良後の睡眠ステージ判定 AI モデルの精度概要は以下の通りです:

  • Accuracy(正確度):0.86
  • 各ステージの判別精度:覚醒 0.84、REM 睡眠 0.88、浅睡眠 0.86、深睡眠 0.84
      ※ 浅睡眠:non-REM 1 および non-REM 2、深睡眠:non-REM 3

技師と睡眠脳波AIの精度の比較

提供する指標例:

  • 睡眠効率(睡眠時間/就寝時間)
  • 入眠潜時(就寝~入眠)
  • 深睡眠潜時(入眠~N3
  • 睡眠段階出現時間(REM)
  • 睡眠段階出現時間(N1)
  • 睡眠段階出現時間(N2)
  • 睡眠段階出現時間(N3) 

てんかん


令和6年度 AMED「医⼯連携イノベーション推進事業(開発・事業化事業)」(⼆次公募) の採択を機に、パッチ式脳波計から取得された脳波によるてんかんスクリーニングの AI モデルの開発に着⼿しています。


快・不快 (情動)


⾷品・飲料 (成分効果、味覚刺激)、⾹り(嗅覚刺激)、視覚刺激などにより、ヒトの情動 (快・不快) への影響を評価する脳波 AI モデルの開発を進めています。2024年度内にサービス開始する計画です。