具体的な実験の検討を進めることになって、今回は、多部さんのオフィスにお邪魔しました。
大きな企業、オフィスもきれいで、人が多い。ぜんぜんPGVとは雰囲気違うなぁ・・・
「うわぁ、人がいっぱいいる・・・」
「じゃあハルさんも、いくつかサンプル品、飲んでみてください。
開発中のサンプルなんで、これがそのまま実験に使われるわけじゃないんですけど・・・」
「えぇだいじょうぶです。まずは、雰囲気をつかませてください!」
サンプルや、いくつかの対照的なドリンク、あと競合さんの商品など、少しずつ味見をしてみる。
「多部さん、これ、なんだか1本ずつ、けっこう味のジャンルが違う感じがします。
これ、全部 ”やる気ドリンク” なんですか?」
「うーん、そうですよね〜。はい、ハルさんの言いたいことはわかります。
そもそも、飲料系って、イメージに合わせて作る、というより、
商品にイメージの方を寄せていく、というところもありますかね〜」
「?」
「ほら、”朝専用のコーヒー”とかあるじゃないですか。
あれだって、コーヒーといえば全部コーヒーなんですけどね。
それを、"濃いめ"とか"苦味つよめ"とかの味の傾向に対して、
”これなら特に朝に飲むといい味かも?”
っていうイメージを寄せていって、マーケティングした感じですよね〜」
「なるほどそうなんですか、面白いですね。全然知らない世界です」
そうか、雰囲気勝負のところもあるんだなぁ。
ということは、ドリンクでもやる気につながるもの、といっても、いろんな種類がありそうですよね。
ふむふむ。 そういう分野で、どういう「比較」で結果を出していこうかな・・・。
「じゃあ多部さん。今日は、具体的な実験の進め方について、相談しましょう」
「はい、お願いします! あとちょっと、"考えるだけ" は飽きてきた・・・えへへ」
「じゃあ、この前ちょっとお話しした”集中力”を使ってみる案でまとめていきましょう。
・・・あ、でもまずは、脳波の周波数帯域について、予備知識として、ちょこっとご説明させてください」
そもそも周波数とはなんでしょうか?
ここでは、「何かが1秒間に振動する回数」だとざっくり捉えましょう。
脳波の場合、測っているのは「電圧」です。(とても微弱な電圧です)
その電圧が、常に変化しているのですが、「電圧が1秒間に何回変化するか」が「脳波の周波数」とお考えください。
では、「周波数帯域」とは?
脳波は、人の体が発している電気信号なので、常に揺らいでいます。
脳波の周波数が "ピッタリ10Hzになる"、ということはあまりなさそうですよね。
なので、10Hzピッタリでなくても「だいたい何Hz周辺」という区切りで、まとめて考えるのです。
「まとめて」考えるから、「周波数帯(域)」と呼ぶわけです。
さらに、それぞれの"帯"に、名前をそれぞれつけて呼ぶのが、脳波の慣例です。
PGVでは、脳波を下記の帯域に区切って扱っています。
(状況によって、あるいはPGV以外では、少し違う区切りを使う場合もあります)
このような区分で分けて、ある範囲の周波数の脳波をまとめて束ねて「アルファ(α)波」「アルファ帯域」などと名付けているのです。
2024.01.29
(つづく)
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